「幻影旅団の過去って何話?」「旅団はどうやってできたの?」
ヨークシンシティ編で、クラピカの仇として登場した幻影旅団。その成り立ちは長いあいだ描かれていませんでしたが、暗黒大陸編の途中、単行本38巻で過去編が描かれました。
先に結論を書くと、幻影旅団の過去編は第38巻 No.395「結成①」から No.397「結成③」までの3話です。この記事では、その3話の流れを整理し、ヨークシンシティ編の旅団と照らし合わせて読みます。メンバー一人ひとりのプロフィールではなく、過去編の流れに絞っています。
結論:第38巻 No.395〜397「結成①〜③」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収録 | 第38巻(2024年9月4日発売、No.391〜400) |
| 過去編 | No.395「結成①」、No.396「結成②」、No.397「結成③」の3話 |
| 入り方 | 船の上の現在の場面から、ノブナガの回想として始まる |
| 直前の話 | No.394「想定」 |
| 直後の話 | No.398「探索」(船の上の現在に戻る) |
| アニメ | アニメ化されていません(2011年版は第32巻 No.339 まで) |
過去編だけを読むなら No.395 から No.397 までです。ただ、38巻の冒頭(No.391〜394)で、旅団がなぜ船の上のマフィアの抗争にかかわっているのかが描かれているので、38巻は頭から読むのがおすすめです。
38巻の中での位置
| 話 | タイトル | 何が描かれるか |
|---|---|---|
| No.391〜394 | 衝突②/情報/懇願/想定 | 船の上のマフィア抗争が激しくなり、ヒソカを追う幻影旅団も加わる |
| No.395〜397 | 結成①〜③ | ノブナガの回想:流星街の子ども時代から旅団の結成まで |
| No.398〜400 | 探索/退去/秘匿 | 船の上の現在に戻る |
※No.391〜394・398〜400 の説明は、この記事に必要な範囲だけに絞っています。
38巻の時点で旅団が船に乗っている理由(ヒソカを追っていること)は「王位継承戦の14王子と相関図」の「王子以外の勢力」でも整理しています。
過去編の流れ(No.395〜397)
No.395「結成①」:流星街の子どもたち
船の上で、旅団はヒソカとエイ=イ一家を追っています。その最中、ノブナガの回想として、物語は流星街に移ります。
流星街は、身元を証明する手段を持たない人が多い街として描かれ、そのために外から来る人さらいの標的にされてきたことが語られます。子どもが多く犠牲になっていた、という重い背景が、この回の土台にあります。
その街で、のちに旅団となる子どもたちが登場します。クロロは仲間と組んでウボォーギンの縄張りから物を持ち出し、教会では、色の名前で呼ばれるヒーローたちが活躍する外国語の映像作品を、パクノダとともに見ます。その言葉がわかるクロロが台本を書き、パクノダに、サラサとシーラという子どもも加わって、その作品に自分たちの声をあてる、つまり吹き替えをすることになります。回の終わりには、街のどこかに不穏な車が止まる場面が置かれます。
No.396「結成②」:上映会と「旅団」という名前
吹き替えた作品の上映会が、教会で開かれます。途中で機材が動かなくなりますが、クロロが舞台に立ち、一人で何役も演じて場をつなぎ、子どもたちを夢中にさせます。それまでぶつかっていたウボォーギンも、ここでクロロを認めます。
上映会をきっかけに、子どもたちの集まりに「旅団」という名前がつきます。のちの旅団の多くの顔ぶれが、ここで一つの集まりとして描かれます。
回の終わりで、サラサはみんなを喜ばせようと、続きの映像を探しに一人で出かけていきます。
No.397「結成③」:サラサの事件と、3年待つ誓い
次の上映の日、サラサは姿を見せません。探しに出た仲間たちは、森で、変わり果てたサラサを見つけます。現場には、犯人が残した紙がありました。何が書いてあるのかとウボォーギンに問い詰められても、クロロは答えず、ウボォーギンに字を読めるようになるよう促します。その中身は読者にも明かされません。
サラサを弔ったあと、クロロは、すぐに仇を討ちに行こうとするウボォーギンに、3年待つことを持ちかけます。クロロが示したのは、すぐに動くのではなく、犯人のほうから近づいてくる状況を時間をかけて作る、という道でした。同時に、流星街が二度と外から狙われないよう、自分たちが恐れられる側になることも選びます(作中の内容をヨミコミが短くまとめたものです)。
仲間たちはクロロを団長に推し、場面は年月がたったあとへ。成長したクロロが仲間の前に立ち、幻影旅団が結成されます。過去編はここで終わり、次の No.398 で物語は船の上に戻ります。
結成までを3つの段階で見る
| 段階 | 話 | 子どもたちの集まりは何だったか |
|---|---|---|
| 1. 遊び仲間 | No.395 | 流星街で一緒に過ごし、縄張りを争うこともある子どもたち |
| 2. 演じる仲間 | No.396 | 吹き替えと上映会で一つになり、「旅団」という名前がつく |
| 3. 誓いを立てた仲間 | No.397 | サラサの死を受けて、3年待って力を蓄える道を選ぶ |
※段階の区切りはヨミコミの整理です。
ここで大事なのは、「旅団」という名前は、もともと盗賊団ではなく、子どもたちが演じる集まりにつけられた名前だったという点です。その名前が、サラサの事件を境に、まったく違う意味を背負うことになります。
ヨークシンシティ編の旅団と照らし合わせる
過去編は、読者がヨークシンシティ編で見てきた旅団の姿を、さかのぼって塗り替えます。ここでは、ヨークシンシティ編の場面と、過去編で描かれたことを並べます。右の列はヨミコミの読みです。
| ヨークシンシティ編で描かれたこと | 過去編で描かれたこと | ヨミコミの読み |
|---|---|---|
| ウボォーギンは、クラピカに問い詰められても仲間の居場所を答えない(第10巻 No.84) | ウボォーギンは子どものころ、クロロとぶつかったあとで認め合う(No.396) | 仲間を売らない強さの根っこが、子ども時代の結びつきにある |
| パクノダは、口外を禁じられたことを、創設メンバーに向けて記憶の弾で伝える(第13巻 No.119) | パクノダは子どものころから、吹き替えの相棒としてクロロの隣にいた(No.395〜396) | 「創設メンバー」という言葉の重みが、過去編で具体的な顔を持つ |
| 旅団は団長を失っても止まらない集団として描かれる(第12巻 No.114。結成のときのクロロの言葉を、パクノダが思い出す場面) | 結成は、一人のためではなく、街と仲間を守るための誓いとして描かれる(No.397) | 頭がいなくても動くのは、目的が団長個人ではなく誓いの側にあるから |
| クロロは場面ごとに顔つきや振る舞いを変える | クロロは上映会で、一人で何役も演じ分ける(No.396) | 「演じる人」としてのクロロが、子どものころから一貫している |
ヨークシンシティ編の旅団は、クラピカの側から見れば、一族を奪った冷酷な集団でした。過去編を読んだあとで見返すと、その冷酷さと、仲間への強い結びつきが、同じ一つの出発点から来ていることが見えてきます。どちらか一方だけが本当の姿というわけではない、とヨミコミは読んでいます。
→ クラピカが復讐の最初の一人と向き合った夜(第10巻 No.84) → クラピカが仇の頭を前に、仲間を選んだ理由(第13巻 No.117) → パクノダが最後に撃った記憶の弾(第13巻 No.119)
ヨミコミの読み:過去編がノブナガの回想である意味
ここからはヨミコミの解釈です。
過去編は、クロロでもパクノダでもなく、ノブナガの回想として始まります。38巻の船の上は、旅団がヒソカを追い、マフィアの抗争にも加わっていく、殺伐とした場面が続いています。その中で、創設のころからいるノブナガが、流星街の子ども時代を思い返す。
この並べ方によって、読者は「この集団は、何を守るために始まったのか」を、旅団が最も荒れている時期に突きつけられます。始まりの3話は、吹き替えと上映会という、明るい場面からできています。その明るさがあるからこそ、No.397 の喪失と、その後の結成の重さが際立つ。旅団の「悪」は、生まれつきのものとしてではなく、選ばれたものとして描かれている、と読めます。
もちろん、だからといって旅団がヨークシンシティ編やクルタ族に対してしたことが軽くなるわけではありません。過去編は旅団を許すための話ではなく、クラピカが追っている相手にも、追う理由になった喪失があったことを示す話だと、ヨミコミは受け取っています。
まだわかっていないこと
39巻(No.410)までの作中で、答えが出ていないことです。
- サラサのそばに残された紙に何が書かれていたか:クロロだけが読み、中身は明かされていません
- サラサを襲ったのは誰か:39巻までの作中で、犯人ははっきり明かされていません。39巻(No.405)には、この事件とのつながりを感じさせる場面がありますが、ここではくわしく触れません。
- 旅団がクルタ族を襲った理由と、過去編とのつながり:過去編で旅団の成り立ちは描かれましたが、クルタ族の件との関係は、39巻までの本編では描かれていません
旅団の過去とクルタ族を結びつける考察は多く見かけますが、作中で答えが出るまでは、ヨミコミでは仮説として扱います。
よくある質問
Q. 幻影旅団の過去編は何巻何話?
A. 第38巻の No.395「結成①」、No.396「結成②」、No.397「結成③」の3話です。
Q. 旅団の過去編は誰の回想?
A. ノブナガの回想として始まります(No.395)。
Q. 「旅団」という名前はいつついた?
A. No.396 で、上映会のあと、子どもたちの集まりにつけられます。幻影旅団が結成されるのは、No.397 の最後、年月がたったあとの場面です。
Q. サラサを殺したのは誰?
A. 39巻(No.410)までの作中で、はっきりとは明かされていません。39巻に、事件とのつながりを感じさせる場面があります。
Q. 旅団の過去編はアニメで見られる?
A. 見られません。2011年版アニメは第32巻 No.339 までで、38巻の過去編はアニメ化されていない範囲です。続きの読み始めは「アニメはどこまで?」で整理しています。
どこまで覚えているか、試してみる
旅団とクルタ族、ヨークシンシティ編のクラピカの立場まで、ハンター試験編から選挙編までの基本を試せます。
旅団が船に乗っている理由など、38巻前後の船の上の話はこちらで。 → 王位継承戦クイズ(全10問)
まとめ
- 幻影旅団の過去編は第38巻 No.395「結成①」〜No.397「結成③」の3話。ノブナガの回想として始まる
- No.395 は流星街の子ども時代と吹き替え、No.396 は上映会と「旅団」という名前、No.397 はサラサの事件と、3年待つ誓い、その後の結成
- 「旅団」は、もともと子どもたちが演じる集まりの名前だった
- ヨークシンシティ編の旅団の冷酷さと仲間への結びつきは、過去編を読むと同じ出発点から来ているように見える
- 紙の中身、クルタ族との関係は、39巻までに描かれていない。サラサの事件の犯人は、39巻までに明言されていない