トップ › HUNTER×HUNTERのクイズ › 名場面ノート › キルアがゴンのまぶしさに揺れた夜を読み解く

HUNTER×HUNTER名場面ノート

キルアがゴンのまぶしさに揺れた夜を読み解く

この場面は第19巻 No.199「光と影」キメラ=アント編/キルア

更新:2026-09-30運営:ヨミコミ

ネタバレ注意:キメラ=アント編の前半、カイトがピトーに敗れたあとの展開に触れます。

当サイトは原作者・出版社とは関係のない、非公式のファンサイトです。

キルアがゴンを光にたとえる場面は、第19巻 No.199「光と影」に描かれています。アニメ(2011年版)では第85話「ヒカリ×ト×カゲ」にあたります。派手な戦いのない回ですが、キルアという人物を読むうえで外せない一話です。

どんな場面か

キメラ=アント編の前半。ピトーの前から逃げ延びたキルアは、気を失ったゴンを背負って国境まで戻ります。目を覚ましたゴンは、カイトは生きていると迷いなく言い、強くなって助けに行こうとすぐに前を向きます。そのまっすぐさを隣で見ながら、キルアは自分がゴンのそばにいていいのかと、心の中で問いかけます。

考察

口に出さない言葉として描かれている

まず事実として押さえておきたいのは、この言葉がゴンに向けて語られたものではなく、キルアの心の中の問いかけとして置かれていることです。ゴン本人は、キルアがそんなことを考えているとは知りません。

ヨミコミでは、ここにキルアの性格がいちばんよく表れていると読みます。キルアは、感じたことをそのまま口にするタイプではありません。本当に大事なことほど、自分の中にしまっておく。だからこそ読者だけが、この問いを聞くことになります。

なぜ「今」迷いが出たのか

直前の状況を思い出してください。カイトはピトーに敗れ、二人は逃げるしかなかった。同じ出来事を経験したのに、ゴンはカイトの生存を信じて前に進もうとし、キルアは同じようには信じきれない。

この差は、どちらが正しいかという話ではないとヨミコミは考えます。キルアは暗殺一家に生まれ、状況を冷静に見積もる目を持っています。その目で見れば、ゴンの希望はまぶしすぎる。まぶしいものを見るとき、人は同時に自分の影を意識します。話タイトル「光と影」は、ゴンとキルアの対比であると同時に、キルアが自分自身をどこに置いているかを示していると読めます。

ハンター試験編との「逆転」

ここで思い出したいのが、第5巻 No.37「光と闇③」です。兄の言葉に支配されて試験を去ったキルアを取り戻すため、ゴンは友だちになるのに資格はいらないと言い切りました。

No.199のキルアは、その裏返しの問いを抱えています。ゴンは資格など要らないと言ったのに、キルアは自分にゴンの隣に立つ資格があるのかを気にしている。ゴンに救われた側だからこそ、その恩をまっすぐ受け取れない。ヨミコミでは、ここがキルアとゴンの関係の非対称さであり、キメラ=アント編を通して描かれ続けるテーマだと読みます。

答えは言葉ではなく行動で出る

この問いに、キルアはこの話の中で答えを出しません。けれど物語は、この後キルアが自分を縛っていたものと向き合う場面へ進んでいきます。隣にいていいのかという問いは、隣にいるために何をするかという行動に置き換わっていく。その流れの起点が、この静かな一話です。

今の自分に置き換えると

身近に、自分にはないまっすぐさを持った人がいると、ふと「自分はこの人の隣にふさわしいだろうか」と考えることがあります。友人でも、家族でも、一緒に何かをつくる相手でも同じです。

キルアの迷いから読み取れるのは、その問いが出てくること自体が、相手を大事に思っている証拠だということです。どうでもいい相手なら、隣にいていいかなど考えません。

そしてもう一つ。ゴンにはゴンの光があり、キルアにはキルアの冷静な目がある。気を失ったゴンを背負って国境まで戻ったのは、そのキルアでした。相手と同じになろうとするより、自分の持ち場で何ができるかを考えるほうが、隣にいる理由ははっきりしていきます。

あわせて読みたい

この問いの前後にあたる、ゴンがキルアを取り戻しに行く場面と、キルアが自分を縛るものと向き合う場面もあわせてどうぞ。

友情・仲間心理・駆け引き自信をなくしたとき人間関係に悩んだとき

理解度をクイズで試す

初級総合クイズ 一次試験【初級】
ハンター試験編から選挙編まで、各編から出題。まずはここから挑戦しよう。

あわせて読みたい名場面

最終試験のあと、ゴンがイルミに詰め寄った理由
ゴン/ハンター試験編/第5巻 No.37「光と闇③」
キルアが恐怖の正体に気づき、自分で針を抜くまで
キルア/キメラ=アント編/第21巻 No.219「覚醒」
すべてと引き換えにした少年の怒り
ゴン/キメラ=アント編/第29巻 No.305「残念」
キルアがナニカとアルカに謝った理由を読み解く
キルア/選挙編/第32巻 No.336「解除」

名場面ノートの一覧へ →

出典:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』(集英社)。本文は当サイトが独自に作成した考察です。画像・漫画のコマは使っていません。