「穢土転生って、結局どういう仕組み?」「なぜイタチだけ自由に動けたの?」「マダラはどうして消えなかったの?」
穢土転生は、物語の前半と後半で二度、大きな役割を果たす術です。最初は木ノ葉崩しで、三代目火影を追い詰めるために。二度目は第四次忍界大戦で、亡くなった強者たちを戦場に呼び戻すために使われました。
この記事では、呼ばれたキャラクターを並べるのではなく、術の仕組みと「縛り」が、どの巻・どの話で描かれ、どう崩れていったかを順にたどります。扱うのは原作漫画(全72巻)の内容だけです。
結論:穢土転生とは
穢土転生(正式な術名は「口寄せ・穢土転生」)は、死者の魂をこの世に呼び戻し、術者の思いどおりに戦わせる禁術です。NARUTO公式サイトの大蛇丸の誕生日コラムでは、二代目火影・千手扉間が開発し、禁術に指定した術と紹介されています。
作中で描かれた要点は、次の4つにまとめられます。
- 必要なもの:呼び出す死者の体の一部と、魂の器になる生きた人間(55巻 第520話)
- 呼ばれた体の性質:傷を負っても元に戻り、ふつうの攻撃では倒しきれない(14巻 第120話)
- 縛り:術者は、呼んだ死者の人格を残すことも、消して操り人形にすることもできる(14巻 第119話、55巻 第522話)
- 止める方法:封印する、術者に解かせる、のどちらか。呼ばれた側が自分で縛りを抜ける例外もある(58巻・62巻)
ここからは、この4つがどの順番で物語に出てきたかを見ていきます。
何巻何話で読める?穢土転生が描かれた順
| 巻・話 | 場面 | ここでわかったこと |
|---|---|---|
| 13巻 第117話〜14巻 第123話 | 木ノ葉崩し | 大蛇丸が初代・二代目火影を呼ぶ。器はキンとザクだった |
| 52巻 第489〜490話 | 大戦の前 | カブトがトビに棺を見せ、協力を取りつける |
| 55巻 第518〜522話 | 第四次忍界大戦の序盤 | 必要なものと縛りの仕組みが明かされる |
| 58巻 第550〜551話 | イタチと長門 | 縛りが、別の術で上書きされる |
| 61巻 第586話〜62巻 第591話 | うちは兄弟とカブト | 術が解かれる。マダラだけが残る |
| 65巻 第618〜619話 | 南賀ノ神社 | 大蛇丸が歴代火影を呼ぶ |
| 72巻 第691話 | 大戦の終わり | 残っていた魂が送り返される |
13〜14巻:木ノ葉崩しで初めて使われる
穢土転生が初めて描かれるのは、中忍試験本選の最中に起きた木ノ葉崩しです。結界の中で三代目火影と向き合った大蛇丸は、棺を呼び出します(13巻 第117話)。棺から姿を見せたのは、三代目にとっては先代にあたる初代火影・柱間と二代目火影・扉間でした(14巻 第118話)。
大蛇丸は、二人の意思を奪ってから三代目にけしかけます(14巻 第119話)。かつての里の長を、心のない駒として使う。この術が「禁術」と呼ばれる理由が、最初の登場で示されています。
傷が元に戻る体(第120話)
三代目は二人と術をぶつけ合いますが、傷を負わせても体が元に戻ってしまいます。ふつうに戦っても決着がつかないと悟った三代目は、命を懸けた封印を選ぶことになります(14巻 第120話)。
封印で止め、器の正体が明らかに(第122〜123話)
三代目が使ったのは、術者の命と引き換えに相手の魂を引き抜いて封じる屍鬼封尽でした(14巻 第122話)。二人の魂が封じられると、火影の姿は崩れ、中から死の森でナルトたちを襲った音隠れのキンとザクの亡骸が現れます(14巻 第123話)。
生きた人間を器にするという、この術のいちばん重い条件が、ここで初めて読者に見えます。ただ、この時点では仕組みの説明はありません。種明かしは、40巻以上あとです。
55巻:大戦で、仕組みと縛りが明かされる
大戦の前に、カブトが切った札(52巻 第489〜490話)
大蛇丸の力を取り込んだ薬師カブトは、暁のトビの前に現れ、穢土転生で呼んだ者たちを見せて協力を持ちかけます(52巻 第489話)。最後にもう一つの棺を見せられたトビは、カブトとの協力を受け入れます。その棺の中身は、この時点では読者に明かされません(52巻 第490話)。
必要なのは「死者の体の一部」と「生贄」(第520話)
開戦後、トビはカブトに、術の仕組みを目の前で見せるよう求めます。カブトは根の忍・トルネの体の一部と、生きている山中フーを使って実演しました。死者の体の一部と、生きた器があれば、死者を戦力として呼び出せる。木ノ葉崩しで見えていた条件が、ここで言葉になります(55巻 第520話)。
心残りが晴れると、縛りから離れる(第518話)
戦場では、サイの前に、根で兄弟のように育ったシンが呼ばれて現れます。サイが完成させた絵を見たシンは、思い残すことがなくなり、縛りを離れて消えていきました(55巻 第518話)。
人格を消して操る(第522話)
カカシの部隊の前に呼ばれた再不斬と白は、はじめは生前の心を残していました。カブトは二人の人格を消し、操り人形として戦わせます(55巻 第522話)。14巻で大蛇丸が二人の意思を奪ったのと同じく、心を残すか消すかは術者が選べることが、ここではっきりします。
58巻:縛りが上書きされる
イタチが縛りを抜けた理由(第550話)
カブトに操られていたイタチは、ナルトと出会った瞬間に動きを変えます。イタチはかつて、うちはシスイの眼を宿したカラスをナルトの中に仕込んでいました。そのカラスの瞳術・別天神がイタチ自身にかかり、木ノ葉を守れという命令が、カブトの縛りを上書きしたのです(58巻 第550話)。
長門は封印で止められる(第551話)
一方の長門は、操られたままナルトたちを追い詰めます。イタチは須佐能乎の十拳剣で長門を刺し、封印しました(58巻 第551話)。傷が治る体でも、封印すれば止められる。14巻の屍鬼封尽と同じ答えが、別の術で示された場面です。
同じ巻では、我愛羅が、穢土転生で呼ばれた父・四代目風影と向き合います(58巻 第547話)。敵として呼ばれた死者が、生きている者に言葉を残していく。大戦の穢土転生は、戦力を増やす術であると同時に、残された者が過去と向き合う場面を何度も生みました。
61〜62巻:術が解かれ、マダラだけが残る
イザナミでカブトを止める(61巻 第586話)
自由になったイタチは、サスケとともにカブトのもとへ向かいます。イタチは瞳術・イザナミでカブトを止め(61巻 第586話)、カブトに術を解かせます(62巻 第588〜589話、第589話の題は「穢土転生の術・解」)。イタチは第590話でサスケに最後の言葉を残し、第591話の冒頭で、その魂も解き放たれます。
契約を自分で切ったマダラ(62巻 第591話)
戦場のあちこちで穢土転生体が光に包まれて消えていく中、うちはマダラだけは消えませんでした。マダラは、解除の印を知っていれば、呼ばれた側から術者との契約を切れることを知っており、それを実行したのです。術者が解いても消えない、不死身の体のまま戦場に残ったマダラは、禁術をむやみに使うものではないと術者に伝えるよう、五影に言い残します。この話の題は「リスク」です(62巻 第591話)。
65巻:大蛇丸が、もう一度使う
戦争の外側で、穢土転生はもう一度使われます。うちは一族と里の真実を知りたいサスケのために、大蛇丸が歴代火影4人を呼び出したのです(65巻 第618話)。
このとき大蛇丸は、まず屍鬼封尽によって死神の腹に封じられていた魂を解き放ちました。器にしたのは、トビがサスケに付けていた白ゼツの分身です。14巻で三代目が命と引き換えに封じた初代・二代目の魂も、ここで呼び戻されます。そしてサスケは、呼ばれた火影たちに、里とは何か、忍とは何かを問います(65巻 第619話)。
穢土転生の終わり
大戦の終盤、穢土転生体だったマダラは、黒ゼツに体を乗っ取られたオビトの輪廻天生の術で、生身の体を取り戻します(68巻 第656話「交代」)。
最後まで戦場に残っていた歴代火影たちは、カグヤの封印のあと、六道仙人によって送り返されます(72巻 第691話「おめでとう」)。術者の大蛇丸ではなく、六道仙人の手で終わる。14巻で始まった穢土転生の物語は、ここで幕を閉じます。
【考察】穢土転生は「誰を縛る術」だったのか
ここから先は、作中の事実ではなく、私たちの解釈です。
穢土転生の縛りを、14巻から順に並べてみると、ほどけ方に共通点があります。シンは絵を見て心残りが晴れたとき(第518話)、イタチは自分が昔ナルトに託したものによって(第550話)、縛りを抜けました。どちらも、生きていた頃に残したものが、術者の命令より強くなった瞬間です。
反対に、マダラは自分で印を結んで縛りを切りました(第591話)。生前に残した誰かとのつながりではなく、自分の知識だけで抜け出した。抜け方が、そのまま人物の生き方と重なっているように読めます。
そう考えると、穢土転生は「死者を縛る術」というより、死者がこの世に何を残してきたかを、あぶり出す術だったのかもしれません。我愛羅と父の会話(第547話)も、同じ線の上にあると私たちは読んでいます。
なお、「穢土」という言葉は仏教でも使われますが、作中で術の名前の由来が説明されているわけではありません。ここでは名前の意味には踏み込みません。
よくある質問
Q. 穢土転生が初めて出てくるのは何巻何話?
A. 木ノ葉崩しの場面です。大蛇丸が棺を呼び出すのが13巻 第117話、棺から初代・二代目火影が姿を見せるのが14巻 第118話です。
Q. 穢土転生を開発したのは誰?
A. NARUTO公式サイトの大蛇丸の誕生日コラムでは、二代目火影・千手扉間が開発し、禁術に指定した術と紹介されています。
Q. 穢土転生に必要なものは?
A. 呼び出す死者の体の一部と、魂の器になる生きた人間です。55巻 第520話で、カブトがトビの前で実演しています。
Q. イタチはなぜ穢土転生の縛りから抜けられた?
A. かつてナルトに託したカラスの瞳術・別天神がイタチ自身にかかり、カブトの命令を上書きしたからです(58巻 第550話)。
Q. マダラだけ消えなかったのはなぜ?
A. 解除の印を知っていたマダラが、自分で術者との契約を切ったからです(62巻 第591話)。
呼ばれた順、解けた順を覚えているか
木ノ葉崩しの器の正体から、マダラが残った理由、最後に魂を送り返した人物まで。この記事で追った場面から出題しています。
物語全体の細部を試したい人は「総合クイズ【上級】」もどうぞ。穢土転生を最初に戦力として使おうとした組織については「暁とは?結成から目的の変化まで」で整理しています。
まとめ
- 穢土転生は、死者の体の一部と生きた器を使って、死者を呼び戻す禁術。二代目火影・扉間が開発した(公式サイトの誕生日コラムより)
- 13巻 第117話〜14巻 第123話:木ノ葉崩しで初登場。三代目は屍鬼封尽で止め、器はキンとザクだった
- 55巻 第518〜522話:大戦で仕組みと縛りが明かされる。人格を残すか消すかは術者が選べる
- 58巻 第550〜551話:イタチは別天神で縛りを抜け、長門は十拳剣で封印される
- 62巻 第588〜591話:カブトが術を解く。マダラだけは自分で契約を切って残る
- 65巻 第618〜619話:大蛇丸が歴代火影を呼ぶ。72巻 第691話:六道仙人が魂を送り返す